受験ライフハック

教育に携わる京大生の筆者が考える、受験にまつわるコツと幸せ

一冊の参考書をやりこもう

 京大の理系学生で、中学受験向けの予備校でアルバイトをしているスギゾーと申します。今回は、参考書の進め方についてお話しします。世の中には多くの優れた参考書が流通しており、どれをやればいいのかわからないと迷っている人が多いと思います。そのような参考書に関する悩みの一つとして、「どれぐらいの参考書を進めればいいのかわからない」というものがあると思います。単語帳ひとつとっても何種類もありますから、何種類の参考書をすすめればいいのかわからない方が多いと思います。結論をいうと、「できるだけ少ない種類の参考書を何周もしよう」というのが回答です。理由としては以下が挙げられます。

  • 自分の定着が甘い分野が浮き彫りになる
  • 書き込みをすることで知識の蓄積が効率的になる
  • 心の支えとなる

 ひとつ目に関しては単語帳などで特に顕著だと思うのですが、自分が間違えた問題に印をつけておけば、自分がどの問題を何回間違えたかの記録をつけることができます。このような軌跡が積みあがることで、何周かしたのちに自分の弱点がはっきりあらわれてきます。模試や本番の直前などの大切な時間に、自分の弱点が濃縮された参考書を確認しておくことは非常に有意義だと思います。

 ふたつ目に関しては、とにかく一冊の本にたくさんの書き込みをしようという話です。備考や別解、関連したイディオムなど必要な項目を参考書に書き込むことで、一冊の参考書に含まれる情報量を多くすることができます。そして書き込む参考書の数が少ないほど、より「濃い」自分だけの参考書が出来上がります。このような参考書は前述の大切な時間に使う際にも重宝しますし、後述の精神的な支えという点でも非常に重要です。

 最後に関しては精神論(?)なのですが、「自分はこの参考書を隅々までやりつくした」という自負が気持ちを支えてくれます。もし複数の参考書に広く浅く手を付けていた場合、「あの」参考書を「あれだけ」やりこんだという強い支えにはならないように思います。現代の大学受験で大切なことは、「自分はこれだけ頑張った」という努力を経験することと、努力を継続するスキルを身につけることです。やりこんだ参考書は受験当日だけでなく今後の人生をも支えてくれるものだと思います。

 ちなみに自分は各科目一冊ずつほどやりこんだ参考書があります(例えば英単語ならシステム英単語、数学なら大学への数学などです)。今でも鮮明に覚えているので、やはり効果が大きかったように思います。

 それでは。