受験ライフハック

教育に携わる京大生の筆者が考える、受験にまつわるコツと幸せ

【コロナ自粛の影響】今が受験の天王山

 京大の理系学生で、中学受験向けの予備校でアルバイトをしているスギゾーと申します。京都大学に通って勉強しつつ、小学生を教えていることで、教育を与える側受ける側の両方を日々体験しています。

 

 今回は、夏休みがなくなるであろうと予想される以上、今が受験の天王山なのではないかというお話をします。

 

 

  • 受験の天王山とは?

 みなさんが受験生として過ごす中で、「夏休みは受験の天王山」という言葉を聞いたことがあると思います。まあなんとなくここで勝負が決まる的なニュアンスだというのはイメージしやすいと思いますが、具体的な意味は知らなかったので調べてみました。

 羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)が、織田信長を討った明智光秀を討伐する際に、天王山を制した方がこの戦いを制するという意味で「天下分け目の天王山」という風に呼んだことが元ネタらしいです。ということは、「夏休みの過ごし方を充実させた人が受験を制する」という意味のようですね。

 

  • 夏休みはなぜ受験の天王山なのか

 夏休みが受験生にとって大切な時期として、受験の天王山と呼ばれる理由は2つあります。結論をいうと、多くの受験生が教育課程をひととおり済ませるタイミングであることと、それに加えてまとまった勉強時間がとれるからです。すなわち受験に必要な範囲の勉強を最低限マスターしたうえで、それを固めるためにガッツリ勉強ができるからこそ受験の天王山と呼ばれているわけですね。

 

  • 夏休みがなくなるだろうという推測

 ではなぜ今このタイミングで夏休みの話をするかというと、コロナ自粛に伴う休校で夏休みが大幅に削られる可能性が高いからです。高校生のみなさん、特に受験勉強をまじめに頑張っている方は高校で留年するかもしれないというヤバい状況にいる方は少ないと思いますが、高校を卒業するためには単純な学業成績の他、出席日数も必要になります。ですから現時点で休校になってしまっている以上、どこかしらのタイミングで授業を行う日数を補わないと、学年全員が否応なしに留年という事態が発生します。

 もちろん学校側はこれを避ける必要がありますから、そうなってくると本来夏休みだった時期に授業が行われるということが容易に想像できます。みなさんも学校側から夏休みが減らされるという連絡を受けてるかもしれませんね。

 

  • 受験の天王山は前倒しされている!

 これらの事実を踏まえると、多少教育課程をカバーできていない部分もあるとはいえ、今この時期に受験の天王山が前倒しされていると考えることができます。本来夏休みであったはずの時期には夏休みが存在しないので、自分なりに自己分析をして能動的に勉強に取り組むことができるまとまった時間を取ることができません。また予備校も集中的な夏期講習を行うタイミングを逸してしまうため、そもそもインプット自体も例年の受験生より少なくなることが考えられます。

 

  • コロナ自粛を受験の天王山にする過ごし方

 ではこのコロナ自粛期間を受験の天王山にするにはどうすればいいのでしょうか。自分が考える過ごし方は、以下のふたつです。

  • 今が夏休みだと考えて1ランク上の緊張感をもつ

 夏休みが受験の天王山と呼ばれる理由の一つとして、受験本番が本格的に迫ってきたと受験生が意識し、緊張感が高まっていることが挙げられます。昭和の受験生が夏休みにハチマキを巻いてガリガリ勉強をしているあのイメージです。ですから、コロナ自粛を受験の天王山にしたいのであれば、「来年の今頃には受験が終わってしまっている」というように受験までの日数を強く意識して緊張感をもつことが必須だと考えています。

  • 予習に力を入れて教育課程を終わらせてしまっておく

 精神論だけでどうにかなるものでもないので、現時点で夏休み並みの急成長を遂げようと考えるのであれば、自分で予習して教育課程を先取りしてしまうことも効果的だと思います。夏休みが受験の天王山と呼ばれる所以は、「ひととおり教育課程を終えたうえで」「復習し固めるために十分な時間勉強ができる」からだと先述しました。ですから、早いうちにすべての範囲を最低限さらっておけば夏休みと同等に近い状況を自分で作ることができます。おすすめの方法としては、チャート式などの基礎に根ざした参考書を用いるほか、受験サプリの授業やYoutubeでの学習が挙げられます。

 また、これのメリットの一つとして、「新しい範囲の内容でも、授業で習わなくても案外自分で勉強できるもんだな」と気づけるというものがあります。授業至上主義が依然根強いですが、まずはそこから解き放たれることで、本当に必要な授業を見抜くことができるようになります。

 

 それでは。