受験ライフハック

教育に携わる京大生の筆者が考える、受験にまつわるコツと幸せ

「質問」はすべきなのか?  ②適切な質問

 京大の理系学生で、中学受験向けの予備校でアルバイトをしているスギゾーと申します。今回は前回に引き続き、すべき質問という点でお話ししようと思います。我々よりも頭もよく、より長い時間をその科目に費やしてきた先生方の力を借りることは効率的な学力向上につながります。質問をする上で、意識的に行うことで学力向上につながるものを以下に示します。

  • 「ここまではわかった」という提示をしたうえでの質問
  • 本質の理解をするための質問
  • 包括的で受験生では手に負えない問題の質問

 ひとつ目は、解法を丸ごと教えてもらうのではなく自分が考えたところから先を教えてもらうという意識が重要ということです。また、これは自分が教える立場として感じることなのですが、「この生徒はここまでわかっていて、ここから先がわかっていない」と先生が把握していることで、より適切な指導が可能になります。理解度に合わせた内容を教えてもらうことで、ちょうど1ステップ進むことができます。

 ふたつ目に関しては、「どうしてこの問題はこの解法を選ぶべきなのか」といったことや、「この公式の意味はどういうことなのか」といったような、意外と参考書では触れられることの少ない本質的な質問です。これを聞くことで、普通なら単に暗記するような公式や解法の定石に関して理解をすることができます。ただし、先日記事にした「ムダな授業」をする先生の多くはこのような質問に関する回答を持ち合わせていないことが多いです。そのため、信頼できる先生に質問をすることが必要です。

 最後に関しては難関校を目指す過程でたまに見られます。自分のなかで端的な例として、昔の京大の世界史の過去問で「シルクロードについて述べよ」の一文だけのものがありました(さすがにここまで尖った問題は最近の出題傾向にはないと思いますが...)。このような問題の解答を作るには、貧弱な受験生の知識では難しいと思います。そこで世界史の先生に質問をすることで、模範解答を教えてもらいつつ、背景についても有機的に理解することができます。このような体験は参考書等から得ることは難しいと思います。

 それでは。