受験ライフハック

教育に携わる京大生の筆者が考える、受験にまつわるコツと幸せ

「ラク」を意識して勉強しよう①

 僕は京都大学に合格することができましたが、決して天才型ではありません。

 一般的な京大のイメージとしては、「奇人変人」というもののほかに、天才が集まっているというものがあると思います。実際にそのような人は一定数います(授業に一回も出ていないのに、すべて出席している友人にその授業の内容を教えている同級生がいました笑)。しかし、自分はそのようなカテゴリに属しているとは考えていません。

 そこで、いわゆる「凡人」が大学受験で勝つためのコツのひとつとして、「ラク」を意識することについてお話します。

 「ラク」に勉強するというのは、勉強量を減らす工夫を意識することです。勉強すれば学力が上がるというのは概ね事実ですが、努力するにも気力体力には限界がありますし、勉強の仕方を間違うと成果が出にくいということはよく言われていると思います。そこでラクに勉強するということは、適切な努力をするための方法の一つだと思います。

 ラクな勉強法の具体例としては、

  • 難易度・傾向を意識する
  • 計算を工夫する
  • 暗記量を減らす
  • 本質を意識する

などが挙げられます。今回は一つ目の「難易度・傾向を意識する」ことに焦点をあてて解説します。

 受験勉強において、志望校ごとに偏差値という数値として難易度が可視化されていますが、これは試験問題の難しさと概ね一致していると考えることができます(もちろん各大学ごとに傾向や癖は存在します)。そこで、自分が目指す志望校に合わせた難易度の学習をすることが大切です。例えば地方国公立を目指す人が、京大医学部の難易度に合わせた学習をすることの意味はほとんど無きに等しいです(予備校が利益を重視し、顧客の危機感を煽るために必要以上の難度の授業を推奨することがよくあります)。

 また、志望校が出題する試験問題の傾向を意識することは極めて重要です。例えば京都大学の数学の入学試験においては、「筋道立てて最後まで解きぬく」ことが求められており、素早く正確な計算力・処理能力よりはむしろ本質を捉える問題解決能力が問われています。そのため採点の現場においては、十分理解しているとみられる答案に関しては多少の計算ミスがみられても減点は小さいといわれています。一方東京大学では、官僚を育成するという目的で創立されたという背景もあり、膨大な計算をミスなく素早くこなすことに重きが置かれているといわれています。そのため、京都大学を志望する学生は、日常の数学の学習において「筋道立てた論理的な答案を作る」ことを意識することが、合格への近道であるとわかります。

まとめると、勉強する際には常に

  • 志望校で要求される難度なのか
  • 志望校で出題されやすい傾向の内容なのか

というように、志望校の試験問題を想定し、不要な努力を減らすことを意識することが継続的な学習につながると思います。

それでは。